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化学物質過敏症を考える

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細胞ストレスと嗅覚の関係

嗅球と脳関門
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 抑制性シナプスは細胞ストレスによって興奮性作用を示す


ということが以下に記載されています。


 脳科学辞典 抑制性シナプス
 自然科学研究機構生理学研究所
 慶應義塾大学 医学部生理学(2015)
 より 


CSに重要な嗅覚にも関与するシナプスです。
まとめさせていただきたいと思います。



<抑制性シナプスとは>


 シナプス伝達によってシナプス後細胞を過分極させ
 活動電位の発生を抑制するシナプス結合のことである。
  =神経の抑制に働くシナプス

 抑制性シナプスを形成するシナプス前細胞は
 抑制性神経細胞(抑制性ニューロン)と呼ばれる。


 主な抑制性シナプスは


  GABA作動性シナプス

   = 中枢神経系全般に広く分布し

      大脳新皮質
      海馬
      視床
      小脳 など

     において主要な抑制性伝達を担う

      嗅球傍糸球体細胞、顆粒細胞)もそのひとつとなる。

       *顆粒細胞については 
        嗅球初代培養ニューロン問シナプス伝達に対するオキシトシンの作用(PDF)を
        検索してご覧ください。(p14に記載あり)


  グリシン作動性シナプス

   =  脳幹
      脊髄

     における主要な抑制性伝達を担い
     
      小脳
      網膜

     においても機能している。

     (その他詳細省く)


 であり、複数の神経伝達物質を共放出するシナプスも存在する。

 多くの抑制性シナプスは 対称性シナプス の構造を取る。

  シナプス前膜の厚さとシナプス後肥厚部の厚さがあまり変わらないものを
  対称性シナプス symmetrical synapse(Gray 2型)と呼び
  抑制性シナプス inhibitory synapseの特徴とされている。
  シナプス間隙は約20 nm弱であり、興奮性シナプスのシナプス間隙に比べて狭い。




<神経抑制のメカニズム>


 シナプス前終末から開口放出された
 

  GABA や グリシン 


 などの神経伝達物質は

 シナプス後膜に存在する


  GABAA受容体 および グリシン受容体 


 に結合する。

 すると


  GABAA受容体 および グリシン受容体 


 が活性化し、各受容体内部のチャネルが開口する。


 それに伴い 塩化物イオンの透過性 が上昇し、
 シナプス後細胞膜外に存在する 塩素イオン がシナプス後細胞内に 流入 する。

 負の電荷をもつ 塩化物イオン がシナプス後細胞内に 流入 すると


  膜電位の 過分極(抑制)作用 


 をもたらす。


 (詳細省く)



<細胞ストレス時の応答変化>


  GABAA受容体 や グリシン受容体 
 

 のチャネルを流れる 塩化物イオン の向きと量は
 細胞内外における 塩化物イオン の濃度勾配と膜電位に依存している。


 先に述べたように

 成熟したニューロン では 

 細胞内への 塩化物イオン の 流入 を引き起こし、


  過分極(抑制)作用 を示すが


 細胞内塩化物イオン濃度が高い状態である

 未成熟・幼若期のニューロン では

 
  GABAA受容体 もしくは グリシン受容体 


 の活性化により
  
 塩化物イオンの 流出 をもたらし、


  脱分極(興奮)作用 を示す


 ことが知られている。

 
 成熟したニューロンにおいても

 細胞ストレス や 神経損傷 を受けると

 シナプス後細胞膜上の KCC2 の機能が低下することから
 GABAA受容体の活性化に伴って 


  脱分極(興奮)作用 を示す


 ことが報告されている。


  *NKCC は塩化物イオンを細胞内へ 汲み入れ
   KCC は塩化物イオンを細胞外へ汲み出す働きを担う。
   これらのバランスによって細胞内の塩化物イオン濃度が決定されている。


 つまり、抑制性 もしくは 興奮性 のいずれの作用をもたらすどうかは、
 標的細胞内の塩化物イオン濃度に依存している。

 そのため、GABA や グリシン 作動性シナプスであっても
 幼若期や傷害回復期において必ずしも抑制作用を持つシナプスではない。



以上です。


上記をまとめるとこのようになりました。


  ・損傷のない成熟抑制性シナプス

    NKCC1(塩素イオン汲み入れ) < KCC2(塩素イオン汲み出し)

      = シナプス後細胞内塩素イオン < シナプス後細胞外塩素イオン

      = シナプス後細胞内流入

      = 過分極(抑制)作用
    

  ・未成熟・幼若期、細胞ストレス、損傷、回復期抑制性シナプス

    NKCC1(塩素イオン汲み入れ) > KCC2(塩素イオン汲み出し)

      = シナプス後細胞内塩素イオン > シナプス後細胞外塩素イオン

      = シナプス後細胞外流出

      = 脱分極(興奮)作用



これらの抑制性シナプスが
嗅球において化学物質や活性酸素により細胞ストレスや損傷を受ける場合
興奮性に傾き、嗅覚鋭敏とはならないか


疑問に思っています。


嗅覚に関与するニューロンは以下の図のように多く存在し

嗅球詳細 2



興奮性シナプスは損傷しても
上記まとめから考えても興奮性を示すままであるのかどうかや

ニューロン(シナプス)により脆弱性が偏るのかなども
考えないといけないかもしれません。


抑制性シナプス(ニューロン)は
上記になりますように嗅球のみに存在するわけではありませんので
他の抑制性シナプスが存在する脳(嗅球も脳の一部です)に

化学物質や活性酸素種がどの程度
それらニューロンに細胞ストレスを与え
抑制性が破綻するのかも気になります。

一番外部物質にさらされやすい脳は嗅球であるということも
問題かと思っています。

嗅球と大脳辺縁系と大脳基底核と梨状皮質



そして、実際

細胞ストレスから保護作用のある
抗酸化物質のグルタチオン点滴などで
嗅覚鋭敏さが緩和される
ことも私以外のCSの方も経験しています。


また改めて別の論文などからもまとめたいと思います。


*ちなみにサプリメントでGABAを摂取してみましたが
 頭痛の副作用を示すのみで嗅覚に効果はありませんでした。
 GABAが不足しシナプスが作動しないわけではなく
 細胞ストレスにより正常に機能しないからだと思っています。
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